昨年末のSankeiBizの記事ですが、日産技術すべて注いだ新型スカイライン インフィニティに変えた理由が自動車好きの間で話題になってました。残念ながら技術ではなく別の意味で。

ターゲット層が40代前半、共働きの奥さんと娘が一人、外資系企業の管理職、都心のタワーマンションに住んでいる人だそうで、ブランドや見た目だけでなく厳しい審美眼を持っている人が対象だそうです。

対象者が日本で600人ぐらいだろうと算出した記事なども出てましたが、あまりにも対象顧客層を絞ってますね。しかも600人全員が買った所で600台。実際皆が買うはずもなく仮に10人に1人買ったとしても60台。それでも10%も買うとは思えないですし、実はこの都心部のタワーマンションに住む人達というのは「カーシェアリング」サービスが狙っている層なのです。そういう人達に満足度の高いサービスを提供する為に欧州車やSUVのプレミアムカーのカーシェアリングを始めている事業者もありますからね。

一体この「スカイライン」とは何なのか?スカイラインではなく「インフィニティ Q50」で売ってくれれば、対象が医者だろうが弁護士だろうがどうぞご勝手にと思うんですけどね。

スカイラインの伝統というのを日産自ら貶めているような気がします。

それにしても日産の凋落ぶりが日本国内では目立ってきてます。車種のラインナップも減りましたからねぇ。昨今はエコカー、軽、ミニバンが主流になっていて、ワゴンタイプは売れないとは言え、ステージアもプリメーラもなくなり日産で一番グレードの高いワゴンがウィングロードです。元々はADバンベースのADワゴンから派生した自動車ですからね。それが今や日産のフラッグシップワゴン。そしてそれすら8年以上フルモデルチェンジしてません。レガシィやアテンザワゴンに対抗する車種もありませんからね。

「技術の日産」なんて言葉は過去のもの。最近は低燃費や技術面ではあまり話題になる事もありませんし、セレナやノート、そして三菱と共同開発したというほぼ三菱製の軽が売れ筋ではあるのでしょうけど、クリーンディーゼルではマツダ、ハイブリッドカーではトヨタやホンダ、ダウンサイジングエンジンでは欧州車には敵わず、デザインは相変わらずフロントのVシェイプグリルに拘ってます。そろそろ次世代のデザインへ移行する時なんでしょうけどね。

厳しい事を書きましたが、元々は日産党でありますし、また復活して欲しい。それだけに今の日産を見ていると歯がゆさも感じ、上記で紹介した新型スカイラインの記事を読んで、このままでは日産がまた沈むと感じずにはいられない。

しかしながら昨年の東京モーターショーで話題になったIDXなど、ちょっと違った変化も出てきてます。今一度ユーザーの欲しい自動車、ワクワクする自動車作りをしてもらいたいなぁと思うのです。